この記事は、以下の記事の続きです!
前日は新幹線と在来線を乗り継ぎ、ちょうど半日かけて札幌までやって来ました。
ホテルに一泊した翌朝、朝ご飯も食べずに札幌駅へ向かいます。
1500キロオーバーの乗車券もこれが最後の区間。
札幌駅の8番プラットホームから乗り込むのは、7:30発の宗谷本線特急宗谷号。
旭川、名寄、音威子府などを経て、稚内まではなんと一本の列車で5時間超の長時間移動になります。
ここまできてケチる場面ではありませんから、グリーン券を買ってあります。
宗谷号を札幌から稚内まで乗り通すだなんて、今後また機会があるかどうか分かりませんからね。
あるうちに乗っておかないと、ダメです。
しかし、7月23日のきっぷを6月23日に発券してるの、ヤバいですね。どんだけ楽しみにしてたんだよと。笑
札幌駅の弁菜亭で朝ごはん代わりの駅弁を買っておきましたから、早速テーブルを引き出して頂きます。
夏季限定、「夏のお祭り弁当」。
おそらく毎年発売されていますが、ここで初めて食べて以来すっかりファンになってしまいまして、夏に北海道に行けば一度は必ず買っています。
デザートについていた「夕張メロン大福」がめっちゃしっかりメロンの風味で、とても美味しかった記憶。
その先は山の中の線路を右へ左へ、エゾシカに遭遇するたびに急ブレーキがかかり、という旅路。
早朝出発、グリーン車のゆったりとした椅子、気動車特急の走行音。そりゃ眠くなるのが自然の摂理です。笑
気付けば終点の稚内に到着。あっという間の5時間でした。
鹿児島県は指宿枕崎線の枕崎駅から列島を縦断してずっと続いてきたレールは、ここでついに北の果てになります。
その昔は稚内から先も樺太の大泊へ向けて鉄道連絡船の稚泊航路が伸びていたわけですが、それは戦前のお話。
ここから宗谷岬へ向かうわけですが、このあたりの路線バスを運行している「宗谷バス」では夏季限定で定期観光バスも走らせており、半日で宗谷岬を含む稚内の主な名所を回ってくれるコースもあります。
現在2024年は半日のBコースが3,900円。2021年当時は3,700円でした。
路線バスで稚内駅と宗谷岬を往復すると3,000円くらいかかりますから、700円足すだけでもっと色んなスポットを観光バスで巡ってくれる上に、ガイドさんも付いてくれるわけです。
そりゃ、こっちを選びますよね。笑
ということで、バスターミナルで定期観光バスBコースの乗車券を購入しました。
バスの出発は14:00なので、まだ1時間くらい時間がありますから、お昼ご飯を食べましょう。
本土最北端の到達証明書を市役所で配布しているので、その近くにあった洋食屋さんに伺いました。
たしか、たらこソースのオムライスだったかと思います。
ご夫婦でされている感じの暖かいお店でした。
駅へ戻りながら市役所へ立ち寄り、証明書を頂きます。最北端に行くのは、まだこれからですけども。笑
そんなこんなで14時になりますので、集合場所へ。
立派な観光バスに乗せていただきましたが、参加者は一桁だったと記憶しています。
まだまだ観光需要は限られていた時分、最北の街までやってくるという人は少なかったのでしょうかね。。
まずは稚内駅からすぐそこ、「北防波堤ドーム」へ向かいます。
ここは戦前に稚泊連絡船が運航していたころ、桟橋の防波堤として建設された施設です。
お次は小高い丘を登って、稚内公園へ。
ここには稚内の街を見下ろす「稚内市開基百周年記念塔」が立っています。
稚内市の前身たる「宗谷村」が設置され、役所などが正式に置かれた1879年を稚内市の開基とし、百周年にあたる1978年に建設された塔です。
ここでは自由時間となり、塔の中を見学したり、公園内を散策しました。
再びバスに乗り込んでしばらく走り、いよいよ本土最北端の地である宗谷岬へ向かいます。
宗谷岬公園には1983年に起きた大韓航空機撃墜事件の犠牲者に向けて、鶴を模した祈りの塔が建立されています。
高さ19.83メートルは事故発生年、16枚の羽根は犠牲者の母国の数、使用されている269枚の白御影石は犠牲者の数、そして嘴は事件が発生した海域を向いているそうです。
岬には、この地から樺太に渡り、間宮海峡を発見して樺太が島であることを証明した間宮林蔵の功績をたたえて、立像があります。
そしてここが、日本の本土最北端、宗谷岬です。
碑では「日本最北端の地」となっていますが、厳密には日本最北端の地は択捉島のカモイワッカ岬。日本の施政権が及んでいる地域に限定すると、岬の少し先にある「弁天島」が最北の地となります。
「一般人が自由に訪れることができる」という意味では、この場所が日本最北端の地であることには間違いありません。
この日はよく晴れていて肉眼でも樺太が見えていましたが、さすがに写真では判別できないですね。残念。
碑の前では常に観光客が記念撮影をしており、大変賑わっておりました。
このあたりでは自販機でも郵便ポストでもガソリンスタンドでも、ありとあらゆるものに「日本最北の」という接頭辞が付きます。笑
宗谷岬の観光タイムを終え、バスは最後のスポットであるノシャップ岬に向かいます。
ちょうど夕暮れ時の良い時間に、到着しました。
ここノシャップ岬は、稚内市内随一の夕日の景勝地としても有名です。
稚内の野寒布(ノシャップ)岬と根室の納沙布(ノサップ)岬、実に紛らわしいですが、語源となったアイヌ語はどちらも「ノッサム(岬の傍ら)」という言葉で、同じなのです。
約4時間少々の行程を終えて、稚内駅に戻ってまいりました。
いやはや、費用を考えたら大満足の定期観光バスでした。
皆さんも稚内観光の際はぜひ、宗谷バスの定期観光バスをご利用ください!
この日宿泊するホテルは稚内駅の一つとなり、南稚内駅にあります。
実は市街地は稚内ではなく南稚内の方になるのですが、いかんせん列車がありません。
やむなくタクシーで向かうことになりました。
稚内というのはその性格上、手ごろなビジネスホテルというのが少ないのです。
稚内駅前にあるドーミーインが埋まってしまうと、あとはもうお高いサフィールホテルかお安いゲストハウスかという選択肢。
そんな稚内の宿泊事情で、貴重な存在なのがこのホテル奥田屋でした。
シンプルで必要十分な施設ながら、天然温泉大浴場付きというのがナイスでした。
そしてこの日は、東京オリンピックの開会式の日。
例によってセイコーマートで爆買いしてきて、テレビにかじりついたのでありました。
~~③へ続く。
というお話でした。 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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