のどかな一人旅のお話。

暇さえあれば日本全国を飛んで、乗って、歩いて。そんな会社員のお話。

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4年前、コロナ禍真っ只中のチャーターフライト。「JALブルームーンフライト」に参加したお話。

☆2020年の記憶を頼りにした過去記事です☆

 

2020年、世界はCOVID-19の災厄に阿鼻叫喚していました。

観光地からは人が消え、飛行機は欠航となり、旅行どころか外出そのものが制限された時期もありました。

特に、各国が入国を制限したため、国際線の飛行機はまさに「壊滅状態」にあり、羽田や成田という日本を代表する国際空港ですら、一日に発着する国際線の飛行機は片手で数えるほど・・なんて日も多くありました。

 

ある日、日本航空から「チャーターフライト」の実施が告知されました。

その中のひとつが、今回ご紹介する「JAL Blue Moon Flight」です。

ブルームーンとは、ひと月の中で2回周ってくる満月のことで、約3年に1回の周期で発生するそうです。

それが2020年10月31日でした。

当時開設された日本航空の告知ページを見て、目を疑いました。

「エコノミークラス中央席 1名利用 15,000円」

 

安っ!?

 

色んなグッズが貰えて、ビジネスクラスのアメニティポーチがお土産にもらえて、機内食を食べさせてもらえて、エコノミークラスとはいえJALの国際線機材に3時間ちょっと乗せてもらえて、1万5000円ですよ!?

3秒後には申し込みボタンを押していました。

 

数日後の夕方、仕事中にスマホに見知らぬ電話番号からの着信がありました。

隠れるようにして電話に出てみると、なんと日本航空さん。

ブルームーンフライト、当選しました!

 

迎えた当日、土曜日というのにガラガラの電車に乗り込んで、成田空港へ向かいます。

だいぶ早くに空港へ向かったので、受付場所となる第2ターミナル国内線カウンターには、まだ誰の姿もありません。

しかし成田発着のJAL国内線はすべて欠航になっていた当時にあって、今回のチャーターフライトのために綺麗に装飾が施されていました。

チャーターフライト向けに装飾されたカウンター

受付開始まではまだ時間があるので、空港の中をうろついてみることに。

飛行機は飛んでいても、乗客がいない。そんな時期でした。

出発ロビーはがらんとして、人の姿がほとんどありません。これがあの成田空港か。

到着ロビーには当時としてはそれなりに到着客がいましたが、まあ観光目的の人はほぼいなかったのでしょう。

こんなに静まり返った空港というのは、二度と見られない光景かもしれませんし、二度と見たくない光景ですね。

とにかく人がいない

唯一、フィリピン航空のカウンターがオープンしていた

閑散とした到着ロビー

空港内を歩き回っているうちに受付開始時刻になりましたから、国内線カウンターへ戻ります。

参加者の方々が集まって、賑わい始めていました!

受付が始まりました

受付を済ませると、この日の搭乗券をはじめ、フライトのしおりやボールペン、クリアファイルといったグッズを一緒にいただきました。

搭乗券を包んでいるケースは、航路図を一枚一枚手で折って作ったそうですよ!

チャーターフライトとはいえ飛行機に乗るわけですから、保安検査を受けて搭乗口へ向かいます。

保安検査で私の前にいるお二人、明らかにパイロットさんだよなあ。。

思い切って声をかけてみました。

のどか「今回のフライトのパイロットの方ですか?」

機長さん「はい!そうですよ!よろしくお願いします!」

のどか「こちらこそお願いします!記念に一緒に写真を撮っていただけませんか?」

機長さん「いいですよ~喜んで!」

ということで、表には出しませんが、副操縦士さんがシャッターを押してくださり、機長さんと貴重なツーショット写真を撮っていただきました!ありがとうございます!!とても大事な思い出ができました。

 

コンコースを進むと、いろんな関係者の方からのメッセージが掲示されています。

人を運ぶ仕事なのに、人を運ぶことが憚られる時勢。辛かったことでしょう。

写真ホルダー

搭乗口Dからバスに乗って飛行機へ向かいます。

ゲートでもう一つ、お土産をいただきました。

加工が難しいというチタンの板から、整備士さんが一枚一枚手作りされたというキーホルダー。今でも大事に机にしまってあります。

JL4981。「よろしく、夜景」ということだそうな。

いただいたキーホルダー。手書きのメッセージ付き。

この日の飛行機は、B767型。コックピットから、操縦士のお二人も手を振ってくれています。

先ほど一緒に写真を撮っていただいた間柄。私と目が合うと、ひときわ大きく手を振ってくれた・・ような気がしていました。笑

グランドハンドリングの皆さんも笑顔。やっぱり、人を運んでナンボのお仕事です。乗客が飛行機に乗ってくれる光景というのは、あちら側からしても嬉しいものなのでしょう。

いつもより大きく見える飛行機。わくわく。

座席にはお土産品が入ったきんちゃく袋と、本来はビジネスクラスでしか貰えないアメニティポーチが置いてあります。

このポーチには色んな小物を入れて、今でも常にバッグに入っています。4年経っても愛用中。

成田空港から離陸すると、早々に日が暮れました。

日が沈んだ西の空には、きれいなグラデーションが広がっています。

この時点でなんかもうめっちゃ幻想的。

窓側のお優しい方が、私のカメラで撮ってくれました

このフライトでは機内食も頂くことができます。

当時の欧州線で提供されていた機内食のようです。

色んなタイミングで、各所のスタッフの方からの手書きメッセージを頂戴します。

機内食を食べたのは久しぶりでしたが、とっても美味しかった。というか、日本の航空会社の機内食を食べたのって、これが初めてなんです。学生の時に食べたマレーシア航空のものも美味しかったですけど、やっぱり味が日本人好みです。

ブルームーンビールと三日月のアイシングクッキー付き

食事の時間が終わると機内の照明が落とされました。

東の空には満月、ブルームーンが輝いています

こんなに綺麗に見えるものなんだなあ。。

中央席利用の乗客も、非常口の窓から眺めを見せてもらえます。

写真を撮りやすいように(機内の光が窓に反射しないように)、二人がかりで毛布を使って覆いかぶさってくれています。

そして左右どちらの窓からも満月を堪能できるよう、途中で何度か旋回してくださりました。

日本全体、世界全体に暗い影が落ちていたあの時でも、あの日あの瞬間だけは、皆が同じ一点の光だけを見つめていた。そう思える時間でした。

満月が輝いている

素晴らしい体験ほど時間の流れは速く、3時間なんていうのはあっという間。

もうすぐ着陸です。

モニタのマップを見ると、ハートマークを描く航路が映し出されていました。

素晴らしい演出であるとともに、減便につぐ減便で日本上空がガラガラであったからこそできたことなのだと思うと、嬉しくもあり寂しくもありです。

ハートを描く航路

無事にフライトを終えて着陸。

先任CAさんからの挨拶アナウンスがあると、キャビンは拍手に包まれました。

「飛行機に乗る」という当たり前にあった日常があっさりと奪われたあのころ、その尊さを再認識させられるフライトでした。

CAのみなさんに挨拶しながら飛行機を降りてボーディングブリッジを渡っていると、グランドハンドリングの皆さん、パイロットのお二人も手を振ってくれているのが見え、みんなで手を振り返しました。

一機の飛行機を飛ばすには、たくさんの人が関わっている

成田から出発し、成田へ帰ってくるという、なかなか経験する機会が無いフライト。

何よりも、あのような時勢にあってもJALの「おもてなし」を存分に感じることができた、素晴らしいチャーターフライトでした。

この時にご一緒した方とTwitterで繋がりができ、今でも旅行の話をしたりしていて、そんな出会いもくれた一日でした。

いってらっしゃい、おかえりなさい。

到着口を出てすぐ東京駅へ向かい、サンライズ瀬戸号に乗り込んで琴平に向かうという弾丸日程だったのですが、それはまた別のお話。

寝台特急に乗って香川・琴平へ。

 

というお話でした。 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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